2013/09/28

MAN WITH THE HORN

ということでジャズです!
前回と時間が入れ替わりますが、20:00ちょと前位からのジャズタイムから2曲+オマケです。

"MAN WITH THE HORN / SONNY BRADSHAW"
FEDERAL, 196?



1曲目はローカルジャズからソニー・ブラッドショウさんのテーマソング"Man With The Horn"です。
ジャマイカのヴィンテージコレクターのスペシャルな1曲です。

ソニー・ブラッドショウさんはジャマイカを代表するミュージシャンで、ミュージシャンとして素晴らしいのはもちろんですが大変な人格者でもあり、ジャマイカ音楽家協会を設立するなど、生涯、ジャマイカのミュージシャンの地位向上に尽力した方で、ジャマイカでは最大級の尊敬を受けています。

数年前に亡くなられていますが、生前はラジオなどのインタビューにも気軽に応じていて、50年代、60年代のジャマイカ音楽の話を本当に楽しそうに語っていました。
そういった話というのは勉強になるだけでなく、私の選曲にも大きな影響を与えてくれています。
60年代のレコードのライナーノーツも多く手がけているので、LPの裏表紙に名前が出ていたら、是非読んでみてください。

"SUNNY SIDE ON THE STREET / TAB SMITH"
DOWN BEAT, 1952



2曲目は急遽、タブ・スミスで行きました。
曲のタイトルからは日中のイメージですが、曲は夜っぽいので気にしません。
なんとも良い雰囲気です。ブルーズとは違う感じですが、グッとテンションが上がってきます!

予定では19:30くらいからジャズの時間にしようと思っていたのですけど、
ブルーズで引っ張りすぎて30分くらい遅くなってしまっていたんですね。

"CIRIBIRI MAMBO / RALPH MARTERIE"
MERCURY, 1952



時間があったらコッチを2曲目にして、ビッグバンドのマンボやチャチャチャをプレイしようと企んでいたのですが、このセグメントは仕方が無いので飛ばしました。

このラルフ・マーテリー(Ralph Marterie)はイタリア出身でアメリカに渡りシカゴで活躍したトランペットプレイヤー、バンドリーダーです。
日本ではイージー・リスニング、ムード音楽に分類されているので注目されませんが、ジャマイカでは大変人気のトランペットプレイヤーです。

ずいぶん長くなりましたが、次回、もう1回ジャズを紹介して終了します。

2013/09/26

BUT OFFICER, SATURDAY NIGHT FISH FRY, DRUNK, BIG FAT MAMA

本来であれば前半のメインタイムにプレイしたブルーズを紹介する所ですが、ちょっと長くなってきたので、後半のブルーズのメインタイムまでザクッと飛ばします。
当日の時間割はこんな感じでした。

18:00 - 20:00 Blues
20:00 - 22:00 Jazz
22:00 - 23:00 Blues
23:00 - 00:00 Jazz

時間的には10時過ぎ位だったと思います。(酒も進んでるので、ココらへんになると記憶も曖昧になってます)ココからはお気に入りのジャンプアップチューンを連発していきます!その中からの4曲です。

"BUT OFFICER / SONNY NIGHT"
DOWN BEAT(ALADDIN), 1953



'Hey you boy, with the be bop glasses and the suede shoes, come here'と警官に呼び止められるセリフから始めるビッグクラッシック!

この曲で繰り広げられる警官との皮肉の効いたやり取りが、サウンドシステムの観衆を熱狂させたようです。
「ビ・バップ グラス」と「スエードシューズ」というアメリカの先端ファッション用語が挟まっていることも重要です。
最近でも「clarks」なんかが唄われるので、サウンドシステム文化って変わらないなと思いますが、当時のゲットーの貧しい若者達は、サウンドシステムから流れてくる曲から、アメリカの新しいファッションやスタイル見つけ、その都会的なセンスに憧れていたようです。

"SATURDAY NIGHT FISH FRY / LOUIS JORDAN"
DECCA, 1949



ニューオリンズの週末に行われているパーティーの様子が唄われているビッグクラッシック!
この曲の「ミュージシャン」を「サウンドマン」に置き換えると、そのまんまジャマイカのサウンドシステムの様子ですよね。
黒人と音楽の結びつきの強さも改めて感じることができる「楽しくてワイルド」な最高のパーティーソングだと思います。

"DRUNK / JIMMY LIGGINS"
SPECIALITY, 1953



タフ!タフ!最高にカッコいいお気に入りの1曲です!定番の「酒」ネタです。
「酒」ネタは、呼んでもらっているラウンジの売上に少しでも協力できるように必ずプレイします。
ジミー・リギンスは"Joe Liggins & The Honeydrippers"のジョー・リギンズの弟です。
元々はプロボクサーとして活躍していたようですが、兄のジョー・リギンズが音楽で成功したのをキッカケに、ツアーに同行するようになり、自らも唄うようになったようです。
ちょっとプリンス・バスターっぽいですね。

"BIG FAT MAMA / UNKNOWN"
UNKNOWN, 195?



これはコクソン産の謎のブランク盤。スカとのカップリングなのでテストプレスだと思います。
最高にカッコいいタフなジャンプブルーズです。定番の「女性」ネタです。
「女性」ネタはジャマイカのDJも好きですが、ブルーズもかなり多いんじゃないでしょうか?
この曲は、コレクターさんに誰の曲なのか聞こうと思っていたのに、酔っ払って忘れてしまいました。

ということで、駆け足気味で次回はジャズです!

2013/09/18

YOUR CHEATIN' HEART, WALK OFF, BUSHY TAIL

"YOUR CHEATIN' HEART / GLEN HOLDEN & THE ASTRONOTES"
TROUBADOUR, 1958


前回からの続きということで、今回は2曲+おまけです。
ペースを落として泥臭くバラード調のブルーズを数曲プレイし「充分引っ張ったかな?」というタイミングで、インストをブリッジに使ってペースを戻します。

1曲目は前曲のペースに合わせたバラード調のインストです。
アーティストの詳細は全くわからないのですが、フリップサイドはハードなロックンロールなので、白人のバンドでは無いかなと思っています。
元はカントリーの名曲です。個人的にはギターがとても気に入っているんですが、どことなくジャマイカやトリニダッドなんかのギタリストから感じる「音の温もり」を感じます。

"WALK OFF / PRESTON BROWN"
OLD TOWN, 1958


で、2曲目です。
ココでペースを少し上げて、いよいよ前半のメインタイムに入っていきます!
重く引きずるような雰囲気はそのままで、力強いリズムと泥臭いオルガンとサックスが最高にカッコいいビッグ・クラッシックです!
前のオーナーによる「ビッグ」の書き込みを受け継いでプレイしていますが、このレコードには毎回盛り上げてもらっています!

ココらへんは、なるべく繋がりが不自然にならないように気をつかいつつも、押しの強い選曲を連発してプレイしました。
その点、こういったイントロから始まる曲は、ペースを上げ下げする時や、ちょっと雰囲気を変えたい時なんかに重宝します。
ちなみにコレはフェデラル配給のジャマイカ盤です。

振り返ってみても、かなりしつこいプレイをしていますが、ジャマイカの人たちはタフなのでまだまだです。
私も最初は「ここまで引っ張るのか!」と驚きましたが、ブルーズの強いリズムにハマると、これが癖になるんですよね。
今では癖になるどころか快感になってしまって、ついつい「もっと!もっと!」と引っ張りたくなっちゃいます。

おまけ。

"BUSHY TAIL / CLIF (Honky Tonk) SCOTT"
KING, 1961


実はこの"Bushy Tail"にしようか、上の"Walk Off"にしようか迷って"Walk Off"にしたんですよね。
これもビッグ・クラッシックです!
コッチはワール配給のジャマイカ盤です。

2013/09/06

SOME DAY, IT'S MUSIC

"SOME DAY / SMILEY LEWIS"
IMPERIAL, 1956


前回はオープニングソング"Ernie Freeman / Beautiful Weekend"を紹介しました。
この曲は、エレガントなピアノに力強いリズムが特徴なので、その後も「ワイルド&エレガント」な雰囲気をキープするように曲をつないでいって、じっくりと温めていきます。
いわゆる前半のワームアップタイムですね。
今回もインペリアルから私の大好きなスマイリー・ルイスを2曲紹介します。

どちらもニューオリンズ・サウンドの重要人物デイヴ・バーソロミュー(Dave Bartholomew)制作。
1曲目は、この辺の「ワイルド&エレガント」な流れの選曲には欠かせないお気に入りの1曲。
内容は泣きのバラードなんですが、スマイリー・ルイスのゴキゲンなヴォーカルが最高です。
また、ジャジーにスイングする演奏も素晴らしく、間奏のグルーブ感はたまりません!

ココらへんは定番かつ鉄板ですので、予定通り、というか予想以上にいい感じの雰囲気になって来ました!
場も温まってきて、外もすっかり暗くなった所で、ちょっとだけペースチェンジします。

"IT'S MUSIC / SMILEY LEWIS"
IMPERIAL, 1953



持ち時間が短ければ、ココから上げていく選曲をするかもしれませんが、
当日は時間がたっぷりあったのでイタズラ心もあり、さらにペースを落として「ねちっこく、泥臭い」展開に持って行ってみました。

ということで、続きは次回です。

2013/08/31

BEAUTIFUL WEEKEND

"BEAUTIFUL WEEKEND / ERNIE FREEMAN"
IMPERIAL, 1957



最近、ショップのDown Beatの買い付けもあり、コレクターさんと会う機会が増えたおかげか、ちょこちょこと声をかけてもらってレコード廻したりしています。

そんな中、先日、JazzとBluesのみで6時間ほどロングプレイしてきました!
最高に楽しくて、気持ちのいい時間を過ごし、酒も飯もすすみました。
その中から、今日はオープニングソングとしてプレイした"Ernie Freeman / Beautiful Weekend"です。

セレクターであれば最初の曲には気を使うと思いますが、私も最初の曲は気を使います。
もちろん当日は土曜日で、日が沈みかける夕方18:00くらいからのプレイだったので、お気に入りの中からこの曲を選びました。
上げすぎず、下げすぎず、現場の空気を温めながら、素晴らしい夜が始まる予感をしっかり感じさせる曲だと思います。

あと、この日はお客さんのほとんどがイーストロード等での、お馴染みのコレクターさんだったので、最初から私の一番得意とする、ジャマイカ人顔負けの「ラフでタフ」な選曲をしてやろうと企んでいました。
思った通り掴みはバッチリだったので、そのまま強気な選曲で深夜0:00まで押し通しました!

ということで、次回の曲紹介につづきます。

話は変わりますが、最近はブログで紹介したいと思っていた曲の多くを、ショップのDown Beatで販売できてるので楽しいです。

ココらへんのレコードはアメリカでは買いやすいものがあったりするのですが、ジャマイカでは入手が難しくコレクターズアイテムになっています。
Down Beatで販売しているレコードは、100%知り合いのコレクターさんのレコードボックスから直に購入していますので
「ジャマイカではどんな曲が受けるのか?」という質問に対しての答えのつもりで販売しています。
あとは「好みとセンス」で曲を並べれば、必ずジャマイカで盛り上げられると思います!

"LIVE IT UP / ERNIE FREEMAN"
IMPERIAL, 1959



今回紹介したアーニー・フリーマン(Ernie Freeman)は"Live It Up"(画像はジャマイカの再発、オリジナルはインペリアル)をスカタライツが"Beardman Ska"のタイトルでカバーしているのが有名です。
ジャマイカで"Beardman Ska"のタイトルになっているのは、"Live It Up"が別名"Beardman Shuffle"と呼ばれているからです。

トレジャー・アイルでトミー・マックックがカバーした"Indian Love Call"もオリジナルはアーニー・フリーマンです。
アーニー・フリーマンについてはタカオさんブログも是非!

2013/08/24

AMOR, JOHN B

"AMOR / THE ARENA BRASS"
EPIC, 1962


 

"AMOR / RAYMOND HARPER & CARIB BEATS"
DOCTOR BIRD, 1966



Doctor Birdレーベルの最大のヒット曲。
前半のハーモニカはチャーリー・オーガネアー(Charlie Organaire)たと聞いた覚えがありますが確かではありません。
中盤からはレイモンド・ハーパーの浮遊感のある素晴らしい演奏が聴けます。

カバー元はロバート・マージー(Robert Mersey)制作のメキシコ、ラテン音楽のカバー集です。
このLPからはタイトル曲の"Lonely Bull"もカルロス・マルコムがカバーしています。

わりと軽めの音で、イージーリスニングという感じですが、トランペットは素晴らしいです!
イージーリスニング系のレコードは、シチュエーションとタイミングを選びますが、ハマった時にはとても気持ちの良い空間を作れるので、個人的にも積極的に使っています。

Amorはメキシコのボレロがオリジナルで、1944年にザビア・クガート(Xavier Cugat)・オーケストラがカバーしたものが有名です。



"I WANNA GO HOME / LONNIE DONEGAN"
PYE, 1960



"JOHN B / THE VIBRATORS"
DOCTOR BIRD, 1960



John Bはイギリスのポピュラー・ソングになるのでしょうか?前回紹介した"REMINISCE"同様、カリブ風のセンチメンタルな曲です。
ジャマイカでもヒットしたようで、私自身も「ココで聴いた」みたいな明確な出会いがあったわけではないのですが、
自然に耳に馴染んでいって、お気に入りの曲になった1枚です。

2013/06/07

REMINISCE

"REMINISCE / JERDIS OLSEN"
PAL, 196?



マイアミの "PAL" レーベルから週末のナイトミュージックを。
アーティスト、レーベルなど詳しいことは不明なのですが、マイアミのレコード会社のようなので、マイナーなローカルシンガーなのかもしれません。
カリビアン・フィーリング溢れるセンチメンタルな素晴らしい女性ヴォーカルチューンです。
声といい歌い方といい、ちょっと垢抜けていないけどキュートでたまらない感じが、ジャマイカのスカやロックステディの女性アーティストそっくりです。
可愛らしくて、しんみりとできる最高にお気に入りの曲です!

この "PAL" レーベルは、ジャマイカの音源を "BRA"(スタジオ・ワンやバイロン・リー)や、"Soul Kiss"(プリンス・バスター)というレーベルで流通させています。

2013/06/04

RECADO

"RECADO / MICKEY O'BRYAN'S QUARTET"
IVANHOE, 1970



4年ぶり2度目となるRecado Bossa Novaです。以前、ハンク・モブレーのテイクをココで紹介しています。

ハンク・モブレーのテイクとは大分違う、ゆったりとしたラウンジ仕様です。
控えめなアレンジや、演奏が、スーっと体に入ってきて温めてくれるような、やさしいインストです。
他にも、ロード・タナモで有名な "Japanese Calypso" をファンク、ブーガルー風にアレンジしていたりと面白い内容のアルバムです。

演奏はジャマイカのテナー奏者マイキー・オブライアンです。
マイキー・オブライアンは、ストーニー・ヒル・インダストリアル・スクールでローランド・アルフォンソと共にテナーを学んだローカルアーティストのようです。
ローランド・アルフォンソは以前も書きましたがアルファ・ボーイズ・スクール出身ではなく、ストーニー・ヒル・インダストリアル・スクールでテナーを学び、プロミュージシャンになった異色の経歴です。

ココらへんのことは、生前、ローランド・アルフォンソ自身がラジオのインタビューで詳しく話していて、私はそれを録音したものを所有しています。
ジャマイカ国内のインタビューとあって、海外のインタビューでは見せないローランド・アルフォンソの意外な面がたくさん見れます。
ローランド・アルフォンソは意外と物腰が柔らかく温和な方と思われていますが、このインタビューではかなり違います。

My Mother Eyeの記事のサー・コクソン・ドッド氏の時みたいに小出しにしたいんですけど、全部MDに録音しなおして保存していたために、現在、家のMDプレイヤーが故障していてプレイできないというトホホな状態です。

話をもとに戻しますと、マイキー・オブライアンは、クレジット等が出ていないため詳細はわかりませんが、テナー奏者、シンガーとして業界内では知られた存在だったようです。
1965年にニューヨーク渡り、ライブハウスなどで活動していたということですので、"Japanese Calypso" のファンク、ブーガルーっぽいアレンジも納得ですね。


オマケはデート、ドライブ向け?のヴォーカルテイク!

2013/03/28

TAKING A CHANCE ON LOVE

"TAKING A CHANCE ON LOVE / HARRY WHITTAKER"
WIRL JAMAICA, 196?



ジャマイカの"Wirl"レーベルからの珍しいジャズインスト。
HARRY WHITTAKER(ハリー・ウィテカー)のクレジットを見て「えっ!?」と思った方いるんじゃないですか?
私もアメリカのピアニストのハリー・ウィテカーだと思ってこのレコードを買いました。
その時の気分としては「え?本当?なんで"Wirl"からレコード出てるんだ??」って感じでした。

その後、調べてみたら全くの別人だと判明。(ちょっとガッカリ)
クレジットのハリー・ウィテカーはガイアナのサックス・プレイヤーで、
この曲を含むLP"SAXFULL OF HARRY "も"Wirl"レーベルから販売されていました。
CD化もされていて海外ですが「Guyana Music Showcase」で購入できるみたいです。

プレイスタイルからレスター・ヤングの影響を感じますね。
明るく、素朴で、遊び心が満載の楽しいインストです。「アイランド・ジャズ」って感じです。
曲自体、とても有名なスタンダード曲なので知ってる方も多いと思います。
もともとはインストではなく、素晴らしい歌詞の付いた歌物です。
エラとビル・ドゲットによるヴォーカル版も、是非、歌詞を追いかけながら聴いてみてください。



2013/03/24

VOLGA BOATMAN


"VOLGA BOATMAN / AHMAD JAMAL TRIO"

available on: Count 'Em 88
ARGO, 1956


50年代シカゴジャズの王道、チェス系の"Argo"からの1枚です。
このレーベルからのジャズ、ブルーズ系のレコードは個人的にも大好物で良いものばかりです。
骨太でブルーズ色の濃いサウンドが好きな人ならピッタリだと思います。
シカゴもニューオリンズと並んでジャマイカ音楽に強い影響を与えているサウンドの街です。
そのシカゴを愛し、地元でのプレイにこだわったアーマッド・ジャマル。

独特な「タメ」と「間」。強弱、緩急の効いたエレガントなピアノタッチ。痺れます。
限りなくシンプルで音数は少ないですが、その音色は非常に感情が豊かで惹きつけられます。
空間を音で埋めるのではなく、音で彩る感じでしょうか。次はどんな音が鳴るのかワクワクしてしまいます。

唯一無二。だれもカバーできないピアニストです。
フレーズも耳慣れたものなので楽しんでいただけるかなと思います。

2013/03/23

ORIENTATION


"ORIENTATION / MAX ROACH SEPTET"
available on: Modern Jazz Hall Of Fame
DEBUT, 1953



チャールズ・ミンガスとマックス・ローチのレーベル"Debut"音源のLP"Modern Jazz Hall Of Fame"から1曲。

このLPは1953年に行われた、Jazz史に残る伝説のジャム・コンサート"Jazz At Massey Hall"のライブ音源とシングル曲で構成されています。
この"Jazz At Massey Hall"のライブ音源というのも非常に臨場感があり、全身で音楽を楽しんでいる雰囲気がビシビシ伝わってきます。

パド・パウエル(ピアノ)とチャールズ・ミンガス(ベース)の2人が、マイティ・スパロウやデタミネーションズのカバーで有名な"Under My Skin"を演奏していたりと素晴らしい内容です。
*チャールズ・ミンガスについてはタカオさんブログもチェック!!

そして本題の"Orientation"です。1953年にシングルカットされたタフなジャズインスト。
カリプソやスカのインストが好きな方なら楽しめる曲だと思います。
マックス・ローチ名義となっていますが実質はハンク・モブレーの作品と言えると思います。
当時、ハンク・モブレーは、なんと22歳!という若さです。

いかにもカリプソのミュージシャンが好みそうな「イントロ」と「アウトロ」。
フレンドリーでキャッチーなテーマからジャム(各パートのアドリブによるソロ)への展開はスカのインストを聴いている方ならお馴染みですね。

そしてそして、チャールズ・ミンガスとマックス・ローチのレーベルというだけあってリズムが最高にスイングしていてかっこいいです。
タフ&タイト。ベースだけ聴いていても、余裕で踊れちゃいますね。ホント素晴らしいです。是非、楽しんでください。

明日も日曜の午後にオススメのジャズを1曲紹介する予定です。

2013/03/20

SUGAR CANE, CABALLITO DE MADERA


"SUGAR CANE / JOHNNY GOMEZ ORCH."
"CABALLITO DE MADERA / FITZ VAUGHAN BRYAN ORCH."
COOK, 1958
available on: ALL NIGHT SESSION



暑さ寒さも彼岸までと言いますが、もうすっかり日本は春なんでしょうか?
ジャマイカも、気が付くとマンゴの実が大きく実っていて、季節の変わりを感じます。
ということで、久しぶりにトリニダッドのCookレーベルのアルバム"All Night Session"から2曲です。

1曲目は、やわらかな春の暖かさを感じられる"Sugar Cane / Johnny Gomez Orch."
2曲目はXavier Cugatのカバーで、メレンゲ風の"Caballito De Madera / Fitz Vaughan Bryan Orch."です。

このLPはハードスリーブなタイプのジャケットは無く、ペラ紙にシルクスクリーンでの印刷になっています。
なかなか味わいのあるジャケットで、オレンジ色の部分は蛍光塗料が使われていたり、ちょっとしたこだわりが感じられ、個人的にもかなり気に入っています。

録音は1958の8月と9月となっています。シングル盤で見かけたことのある曲も収録されているので、編集盤のような感じなんでしょうか?
ハッキリ言って内容は素晴らしいの一言です。このメンバーを見て悪い内容なんて全く想像できませんよね。

2013/03/07

LUMUMBA, CONGO WAR

"LUMUMBA / BONNY & SKITTER"
WIRLDISC, 1961



今回は販促っぽくて恐縮ですが、今週販売する"Lumumba"についてです。
ショップのコメント欄では書ききれないのでこっちで補完します。

一般的には再発盤の表記である"Lumumbo"として知られていますが、実際はオリジナル盤の表記通り"Lumumba"が正しいタイトルです。
"Lumumba"は人名で、コンゴ民主共和国の独立期の指導者で初代首相('61年に暗殺)パトリス・エメリィ・ルムンバ(Patrice Emery Lumumba)から取られています。

私がパトリス・エメリィ・ルムンバの名前を知ったのはロード・ブリナー"Congo War"に興味を持って調べていた時でした。(2番の歌詞に"Patrice Lumumba"と出てきます)

"CONGO WAR / LORD BRYNNER"
C AND N, 1964


それは、ある大物のセレクターさんに"Congo War"の歌詞の内容について質問した際に「この曲はアフリカの事を唄った、俺達にとって特別な曲なんだ」
と私に教えてくれたからです。
今だったらグーグルに「Congo War」と検索すれば解決するような事でも、当時は大変だった思い出があります。
その中でコンゴの歴史やパトリス・エメリィ・ルムンバを知ると同時に、ジャマイカ人のアフリカに対する意識の高さを強く感じたことを覚えています。

マルコムXやキング牧師は知っていてもパトリス・エメリィ・ルムンバを知らない方は多いのではないでしょうか?
おそらく私もジャマイカの音楽と文化の繋がりに興味を持たなかったら今でも知らないままだったと思います。
是非、グーグルで「パトリス・エメリィ・ルムンバ」または「Congo War」と検索して、これらの曲の持つ奥深さを感じ取ってください。

2013/02/11

SOLITUDE~INTERLUDE

"SOLITUDE / JOHNNY LYTLE"
RIVERSIDE, 1963


"INTERLUDE / THE LENNIE HIBBERT COMBO"
BEACH, 196?
available on: MOON-LIGHT PARTY


"Lennie Hibbert / Village Soul"のオリジナル"Johnny Lytle / The Village Caller"のフリップサイドがこの"Solitude"です。
画像のものはオリジナルではなく再発ですが、オリジナル盤もすぐに見つかると思います。ラテンとソウルの雰囲気を感じさせる、とても美しい楽曲です。

そして、せっかくの祝日なので、ジョニー・ライトとレニー・ヒバートをゆっくり聴き比べてもらいたいなと思い、"Solitude"の後に"The Lennie Hibbert Combo / Interlude"を入れてみました。

どちらも、しっとりとした流れの中、色々仕掛けてあって「次はどう来るのかな?」と最後まで緊張しながら聴いてしまう。そんな美しくも楽しい曲だと思います。
休みの日に聴くのにピッタリじゃないでしょうか?

選曲の流れ的にも、即席の割にはなんとなくいい感じですね。
特に"Interlude"は曲中にいろいろ遊びがあって、セレクターとしては次にかける曲を考えるのも楽しめます。

THE LENNIE HIBBERT COMBO / MOON-LIGHT PARTYについては
"Pirate’s Choice"ことドラム&ベースレコードの林さんが「レコード棚」で紹介しています。
私のはジャケ無しでコンディションもイマイチなのでジャケ付きが羨ましいです!