2012/10/08

SMOKEY PLACE

"SMOKEY PLACE / LYN TAITT & THE JETS"
HIGH NOTE, 1968



先ほど、通称”イースト・ロード”と呼ばれる店の事を書いていたら、この”スモーキー・プレイス”の話を思い出したので追加更新です。

”スモーキー・プレイス”というのはトレジャー・アイルのスタジオ近くにあったバーのことです。

なぜ”スモーキー・プレイス”と呼ばれるかというと
大のラスタ嫌い、ガンジャ嫌いな事で有名なデューク・リードのトレジャー・アイルではガンジャは一切禁止だったようで、
アーティストやミュージシャン達は近所のバーに溜まり、ガンジャを吸って音楽に対しての意見をぶつけあい、時には激しい口論になったりと熱い議論を交わしていたようです。

一曲レコーディングすると「おーい、大麻吸いに行こうぜ!」なんて感じで”スモーキー・プレイス”に行っていたんですかね?
なんかその名の通り、今の日本の喫煙所みたいな感じで面白いですね。

PAGAN LOVE SONG

"PAGAN LOVE SONG / GNENE AMMONS"
available on: BAD BOSSA NOVA
PRESTIGE, 1962


私がこの曲を初めて聴いたのは10年以上前だと思いますが、とても印象的でした。
場所は通称”イースト・ロード”とよばれるキングストンのダウンタウンにあるバーでした。
店名は別にあるのですが、とても読みにくく、覚えにくい名前だったとしか記憶していません。
みんなが”イースト・ロード”と呼んでるので、私もそれに習い”イースト・ロード”と呼んでいました。

この店はヴィンテージの大学といわれるほど、ジャズ、ブルース、ソウル、ラテンなどのトップコレクター、トップセレクターが集まる店で、私も本当に沢山の曲を勉強しました。
毎回メモとペンを手放せない状態で、必死にタイトルとアーティストをメモしていました。
そして、そのメモに最初に書いたのがこの曲です。

原曲は古い曲ですね。1929年のハワイアンをボサノヴァにアレンジしています。
この太く、どこまでもタフなサックスに店内は大盛り上がりで、オーディエンスから「Play again!!」のリクエスト。
「ジャズでカマゲンするってスゲエな!しかもMCなし!さすがジャマイカ!」って思いつつ「日本に帰ったら速攻でこのレコード買わなきゃ!」と思ったのをよく覚えています。
ある意味、私がジャズをプレイしたいと思ったきっかけでもあります。

また、ジャマイカではジャズのレコードは非常に買いづらく集めるのが困難なのですが、日本では安価で状態の良いものが買えるので(日本盤の音質の良さはジャマイカのコレクターにも知られています)、
日本に帰ってる間はジャズのレコードを漁るようになり、ジャマイカに戻るとコレクターに分けてあげたりするようになりました。
ジャマイカ流にジャズをプレイする事のカッコ良さと楽しさはこの店で教えてもらったと思います。

手前味噌な上に、もう10年位前の話で恐縮ですが、私はココでストーン・ラブのオーナーで、有名なソウルコレクターのウィー・ポウさんと共演したことがあります。
ウィー・ポウさんは60年代のソウルを非常にテンポよくプレイしていました。私はあえてローカルに拘りジャマイカンブルースからスカの王道でいきました。

2012/09/29

MADE FROM LEE PERRY?

今日は「お宝鑑定団inジャマイカ」ということで、私のいわくつきのお宝を皆さんに鑑定してもらおうと思っています。
お宝はこちら。リー・ペリー自らが制作したレコードジャケットです。
「えっ?まさか…?」って感じですが雰囲気はよく出ています。

では、細かく見て行きましょう。

 真ん中のリー・ペリーの似顔絵とメッセージは麻の生地にインクが厚く塗られています。

いろいろ切り貼りしていますが、仕事は意外と丁寧です。

文字はこれだけのモノにわざわざシルクスクリーンで印刷しています。


Black Arkの文字もシルクスクリーンでわざわざ印刷しています。


真ん中の生地はハートをモチーフにしてるのでしょうか?
ベタッと貼っていなくて部分的に接着剤のようなものでくっつけています。
私が入手した時点で裏ジャケは無く、1枚ものだったので正確には判断できませんが、よくジャマイカで使われているプレーンタイプのレコードスリーブにコラージュされています。
さあ、鑑定やいかに?どうでしょうか?

2012/09/16

DESAFINADO



"DESAFINADO / STAN GETZ & CHARLIE BYRD"
VERVE, 1962


ブラジルの音楽家アントニオ・カルロス・ジョビンの名作中の名作です。
カバーも非常に多く誰でも知っている曲だと思います。


"DESAFINADO / MAPLETOFT POULLE ORCHESTRA"
WIRL JAMAICA, 196?



まずはMapletoft Poulle Orchestraのメント/カリプソでのカバーです。
Mapletoft Poulleはジャマイカ国歌の編曲を担当した大物の音楽家でピアニストです。
Mapletoft Poulle Orchestraは50年代のトップバンドの1つとして数えられていて、スカタライツのジョニー・ムーアが所属(後にジョニーはラスタ思想とドレッドロックスが原因でクビになります)していたことでも知られています

60年代以降はジャマイカ政府と協力して、海外でのメントやジャマイカ音楽の普及に努力、貢献したようです。
60年代中期に同じWirlレーベルからメントのアルバムもリリースしています。

このレコードはスタンパーがジャマイカ製ではないので、録音の時期については不明です。
スタン・ゲッツがチャーリー・バードとのコンビで、この曲を大ヒットさせたのが1962年ですので、録音は1962年以降だと思います。
荒々しく力強いリズムにテンション上がります。ウワモノがサックス、フルート、ギター、ピアノと変わっていく感じも良いです。
バイロン・リーも、もう少しサラっとしたアレンジのカリプソカバーを"Caribian Joy Ride"というアルバムでカバーしています。


"DESAFINADO / PRINCE BUSTER AND THE ALL STARS"
PRINCE BUSTER V.O.P, 1964



そしてこちらはスカファンにはお馴染みのPrince Buster And The All Starsによるスカカバーです。
テナーにVal Bennett、トランペットはRaymond Harper、ドラムはArkland "Drumbago" Parksという個人的に大好きなメンバーです。
ローカルな匂いは強く残しつつ、非常に優雅で洗練されたすばらしい演奏です。
秋の連休にゆっくり聴いてみてください!

2012/09/13

COXSONE 70'S TEST PRESSING

今日、ちょっと面白いレコード見つけました!
コクソン音源の再発用テストプレスなんですけど、今日入手したのは再発されていない物ばかりなのです。
スタンパーは全てオリジナルを使用しています。

60年代~70年代初期まで、ブランク盤はプレリリース盤として普通に流通していたのはご存知だと思います。
ですが、70年代中期以降は文字通りテストプレスですので、(プレスの目的にもよりますが)プレス枚数も極端に少なく、関係者のみが入手できる貴重な音源だと思います。

例えば、この曲はロード・クリエイターだと思いますが、恥ずかしながら私タイトルわかりません。
マトリクスがWirl CS 1195-1とあるので後期のスカからロックステディの時期だと思いますが素晴らしい曲ですね!

"WIRL CS 1195-1 / LORD CREATOR?"
COXSONE, 196?



また、最近再発されるまで再発は無いとされていたこの曲もテストプレスは存在していました!近いうちにショップで販売します。
良い曲ばかりなのでよろしくお願いします。

2012/09/08

ROSE

"ROSE / JOEY LEWIS & HIS ORCHESTRA"
available on: TOPS IN TRINIDAD
RCA VICTOR TRINIDAD, 1961



久しぶりの更新になります。
リスタートということで、今1曲目にプレイしたいお気に入りの曲を紹介します。
マイティ・スパロウの同タイトルのカバーインストです。
ちょっと乱暴で力強いリズム、浮揚感のあるホーン、そしてその間を漂うギター。最高です!

ジョーイ・ルイス(Joey Lewis)は50年代から70年代まで長く活躍したトリニダッドの名バンドリーダーです。
60年代にはジャマイカにもショウの為に何度も訪れていて、バイロン・リーなどのミュージシャンとも親交があったようです。
Rock-A-ShackaのCook特集であるvol.10に収められたキラーカリプソ"El Toro"はご存知の方いるんじゃないでしょうか?

独学でギターを習得し、確立した彼独自のスタイルは、早くから認められ10代で自身のバンドを率いていたというからすごいですね。このアルバムを録音したのも彼が20歳位の時ですから、10代の頃から数多くのレコーディングに参加していたんですね。
彼は50年代に最も若く成功したバンドリーダーとして大活躍し、ココで紹介しているClarence Curvanなど、数多くの優秀な若いバンドリーダーが後に続いたということです。

ピアノとオルガンの腕前も相当で、後にはピアノ、オルガンでのリーダー作もあるようです。
ギターと鍵盤といえば、同じトリニダッド出身のリン・テイトもギターと鍵盤どちらも演奏しますね。