2009/10/30

AUTUMN LEAVES

"RAYMOND HARPER / AUTUMN LEAVES"
DOCTOR BIRD, 1967


ショップのレコード買い付けで、しばらく更新出来ないのでマイ・スペシャルを紹介します。
この曲"Autumn Leaves"は、恋愛(失恋)の追憶を季節に重ね合わせたシャンソンの名曲で、母国フランスに留まらず、世界中で愛されるポピュラーミュージックとして広まっています。みなさんご存知でしょうが日本でのタイトルは「枯葉」ですね。

下でも紹介しますが、ジャズでも永遠のスタンダードとして、数多くの名演が残されています。
ジャズにはスタンダードと呼ばれる名曲がいくつも存在しますが、同じ曲でもミュージシャンごとに表現の仕方が異なり、聴き比べるのがジャズの楽しみ方の一つとなっています。

自分はレイモンド・ハーパーが"Autumn leaves"を演奏している事を知らなかったので、このレコードを見つけた時の衝撃と嬉しさは相当のものでした。演奏も素晴らしく、抑制を効かせつつも感情豊かな表現は、さすがレイモンド・ハーパーですね。大好きな曲を大好きなアーティストが演奏している悦びは何年たっても変わらないと思います!!

"CHET BAKER & PAUL DESMOND / AUTUMN LEAVES"
EPIC, 1974

ウェスト・コーストを代表するミュージシャン2人による美しい演奏です。
チェット・ベイカーは50年代に一世を風靡するものの、ドラッグ絡みで刑務所に入り、1968年には、またしてもドラックが原因で暴漢に襲われ、前歯を全て折られてしまい演奏が出来なくなるなど、破天荒な人生を歩んだ人です。
このポール・デスモンドとの"Autumn Leaves"は音楽業界に復帰した1974年のものです。


"CANNONBALL ADDERLEY & MILES DAVIS / AUTUMN LEAVES"
BLUE NOTE, 1958

契約の関係でキャノンボール・アダレイ名義となっていますが、マイルス・デイビスがブルーノートに残した最高傑作"Somethin' Else"に収められている"Autumn Leaves"です。
マイルスにしか表現できない絶妙な間と美しさです。ただただ美しい演奏です。

2009/10/19

NATIONAL HEROES DAY

今日ジャマイカはナショナル・ヒーローズ・デイです。

上の画像は、個人的に思い入れのある英雄たちが使われているジャマイカのお札です。一番下のja$50のみ現在も流通しています。一番上のポール・ボーグルはスカファンならRoland Alphonso / Return of Paul Bogleで名前はご存知かと思います。

前やっていたサイトで、ジャマイカの国民的英雄をテーマにした物があるので、興味のある方は読んでみてください。

ジャマイカの国民的英雄はこの人達です。
(独立記念日と同様、自分がジャマイカに住んでいたときに書いた数年前のものなので、ボブ云々の件は無視してください。)

下はマーカス・ガーベイの声が聴ける1921年のスピーチです。



2009/10/13

BEYOND

"LORD CREATOR & ENID / BEYOND"
COXSONE, 1963


先日紹介した"Sauvitt"が収録されているアルバム"Dance Hall 63"は当時のサウンド・システムの雰囲気を味わえ、選曲もサウンド・システムを盛り上げた曲ばかりの素晴らしいアルバムです。

自分も大好きな曲ばかりでシングル盤でも集めているのですが、とりわけ大好きな曲が、この"Beyond"です。

Lord Creatorらしい女性心を掴んで離さないドラマチックな歌詞にメロメロです。自分はこのLord Creatorともう一人Derrick Morganのドラマのようなロマンティックな世界がたまらなく好きです。自分がレコードを廻すときも少しでも伝わるようにしたいと思ってプレイしています。

2009/10/11

SUAVITO

"JOHNNY PACHECO / SUAVITO"
ALEGRE, 1963


Tommy McCook & The Skatalitesで有名な"Suavito"です。
スカファンのみならず非常に現場受けの良い曲なので、みなさんご存知かと思いますが、ジャマイカではTommy McCookのヴァージョンも、下で紹介しているMongo Santamariaのヴァージョンもほとんど聴きません。

このオリジナルであるJohnny Pachecoの"Suavito"をオリジナル・サウンドマン、ヴィンテージ・コレクターが「どうだ!!」とばかりにプレイします。
この曲はコレクター連中の間では「スペシャル」の存在で、アーティストやレーベルも隠して教えてもらえず、自分も見つけるまでにとても時間がかかりました。

日本のヴィンテージ・ファンには理解できないかもしれませんが、ジャマイカではBig People Musicと呼ばれ最高に盛り上がる1曲です。

日本ではJammers Recordのジャマイカ人セレクター"Double-H"がプレイしてるのを聴いて「やっぱ"Suavito"はこのヴァージョンだよな!」と2人で盛り上がりました。
"MONGO SANTAMARIA / SUAVITO"
BATTLE, 1963


こちらがMongo Santamariaのヴァージョン。大胆なアレンジがされていてTommy McCookのヴァージョンの元になったのがよく解ります。

"TOMMY McCOOK / SAUVITT"
COXSONE, 1964


これがジャマイカのトップミュージシャンによる皆さん大好きなヴァージョンです。上から順番に聴いていくとJohnny PachecoからSkatalitesへの流れに納得ですね。

2009/10/01

TAKE ME BACK

"TAKE ME BACK / SLIM SMITH"
BUNNY LEE, 1972


大好きなSlim Smithですが、レゲエを聴きはじめの頃は少し苦手なアーティストでした。今となっては何故苦手だったのか全く解らないのですが、キチンと聴きこんでなかったんでしょうね。

この曲もシンプルな演奏で派手さは無いのですが、そこがSlim Smithの歌声を引き立てていると思います。歌詞がまた切なくて、現場でプレイしていても思わず感情移入して熱くなってしまいます。

"TAKE ME BACK / OWEN BOYCE"
COXSONE, 1965


こちらはコクソンからの同曲です。Slim Smithのヴァージョンより、ずいぶん後に知ったのですが聴いた瞬間気に入ってしまいました。バックはJackie Mittooを中心としたSoul Brothersですが、スタジオ・ワンの硬くメリハリのきいたサウンドは素晴らしいの一言です。

唄っているOwen Boyceはレコーディングも少なく(バラードが多いです)話題にも上らないアーティストですが声が綺麗で引き込まれます。

そして、こちらがオリジナルです。