2009/07/29

EXOTIC TOUCH OF HOT SKIN

"EXOTIC TOUCH OF HOT SKIN / DENNIS ALCAPONE"
KIETH HUDSON, 1972


Kieth Hudsonといえばルーツやダブのイメージがあると思いますが、是非聴いてもらいたいのがこの曲です。バックは完全にロックステディです。

とても緩やかで温かみのあるリディムに、Dennis Alcaponeが伸び伸びと、気持ち良さそうに言葉を乗せています。
この曲にはAl Brown / Alwaysという歌物ヴァージョンもあり、それも最高の曲です。レコードを探してるのですが、まだ手に入れられていません。

Kieth Hudsonはこの曲のようにロックステディのリディムを使った曲を何曲か残しているのですが、すべてが素晴らしい曲ばかりです。
しかも、リディムのほとんどがKirl Bryanのプロダクションである"Olympic"レーベルの物を使用しています。(この曲もおそらく"Olympic"レーベルの物だと思いますが確認はされていません。)

この曲で唄われているように「Sound is Good!, Love is Good! Mi Feel Irie!」と感じさせてくれる曲です。

2009/07/26

THOSE TEARDROPS

"ERIC MORRIS / THOSE TEARDROPS"
PRINCE BUSTER, 1964


大好きなEric Morrisによる泣きのバラード。考えてみると、この人のバラードって少ないですよね。ロマンチックでストーリー性のある、素晴らしい曲を唄うアーティストだと思います。

日本では現場でバラードを廻すと「シーン」としてしまいますが、ジャマイカでは絶対に必要なセグメントです。ジャマイカでヴィンテージを廻すときは、いかに「爺さん婆さんを喜ばせるか」というのは大事なポイントです。(また、そう教えられました)
自分が廻すバラードで、結婚して数十年経っている老夫婦がチークを踊っているのを見るのは最高の喜びでもあります。自分もよく太った婆さんに「お前、私と踊れ」と言われて踊っていました。

ダンスホールでワイニーするのも楽しいですが、是非、カップルや夫婦で現場に遊びに来て、日常を忘れ、二人の時間を楽しんでもらいたいです。

2009/07/24

RECADO BOSSA NOVA



"HANK MOBLEY / RECADO BOSSA NOVA"
BLUE NOTE, 1965

以前、現場仕事をしていた時に1日の始まりにヘッドフォンのヴォリュームを最高にして聴いていた曲です。ジャマイカで聴いても、クラブで自分で廻してるのを聴いても、この曲を聴くと元気になれます。

ハンク・モブレーはテナー奏者としてマイルス・デイビスの楽団に参加していたのですが、同じ時期にソニー・ロリンズ、ジョン・コルトレーンも参加していた為、この二人に比べられる事が多く、不当に低い評価を受けている気がします。
ですが、ブルー・ノートを中心とした作品を聴いてみれば解りますが、「黒い音」が好きな人には大変魅力的なミュージシャンです。また、この曲にも参加しているトランペット奏者リー・モーガンとの相性は抜群です。

スカやロックステディが好きな人なら「楽しい曲だな」と思ってもらえると思います。

2009/07/22

ST. THOMAS

"SONNY ROLLINS / ST. THOMAS"
PRESTIGE, 1956


とても有名な曲なので、ちょっと検索すれば色々でてきますし、特に解説の必要も無いと思いますが、Sonny Rollinsは両親がヴァージン諸島の生まれで(いわゆるカリブ移民)、子供の頃から親しんでいたカリプソをこの曲のテーマにした事はあまりにも有名です。(他にもカリプソを何曲も演奏しています)

豪快で、明るく楽しいテナー・スタイルはジャマイカでも大人気ですが、この時代のテナー奏者に大変な影響を与えています。
Tommy McCookやRoland Alphonsoなどのジャマイカのミュージシャンも、聴いただけで影響を受けているのが解ります。

"CHARLIE RODRIGUEZ / HELLO JOE"
詳細不明


プエルトリコのビッグ・バンドによるヴォーカル入りカリプソ・ヴァージョンです。結構ジャズっぽくてカッコイイです。この歌詞がオリジナルなのかは不明ですが、プエルトリコはセント・トーマス島のあるヴァージン諸島に隣接しているので可能性は高いのではないでしょうか。

"BYRON LEE & THE DRAGONAIRES / SUNJET JUMP UP"
BYRON LEE, 1965


ジャマイカのお祭り楽団Byron Lee & The Dragonairesによるカリプソ・ヴァージョンも単純に楽しくて嫌いではありません。

このバンドのミュージシャン達はかなりの実力派揃いなんですが、この曲に関しては難しい事をせずに解り易く演奏しています。

"BABA BROOKS ORCH / MUSICAL COMMUNION"
DUKE RIED, 1962


Baba Brooksによるスカ・ヴァージョンでは、ややゆっくりとしたテンポで、ホーンはゆったりとしていますがリズムはオーセンティック・スカらしくタイトになっています。曲の途中にメントのフレーズを使っている所も温かい雰囲気をかんじます。

個人的にはBaba Brooksのメントやカリプソを使った曲は大好きでこれからも紹介したいと思っています。

2009/07/05

FREEDOM SOUNDS

"FREEDOM SOUNDS / TOMMY McCOOK"
COXSONE, 1963


大好きなインスト・スカ。The Skatalites名義のアルバム"Ska Authentic"のオリジナル盤に収録されています。(このアルバムは、1967年イギリスで発売される際に、収録曲が変わってしまい現在に至ります。)
スカはジャマイカ最初のナショナル・サウンドです。当時のジャマイカ最高のミュージシャン達が自信満々にプレイする姿を想像して楽しんでください。

話は変わりますが、明日からレコードの買い付けで、ジャマイカに行ってきます。
もう、何回行ったかも覚えていませんが、好きで好きで堪らない島。
キューバやトリニダッドにも行ってみたいと思いつつ、有り金の全てがレコードになってしまい、思いは未だ果たせません。

一度は、帰りのチケットを破り捨て(元々そのつもりで行ったのですが…)、「もう、日本には帰らない」なんて事もありました。
いつでも、腹が立つ事、つらい事の方が多いのに、数少ない嬉しい事、楽しい事が強烈すぎて忘れられない所です。

"Jamaica is Sweet Island"ジャマイカ人がよく使う言葉ですが、「正に、その通り!!」

2009/07/04

FLYING HOME

"FLYING HOME / LIONEL HAMPTON ORCH"
DECCA, 1942


スウィング・ジャズの巨匠、Lionel Hamptonの代表曲とも言える「Flying Home」ですが、この曲を「ジャズ、ブルースからロックン・ロール、スカ」ファンにまで有名にしたのは、曲中のIllinois Jacquet(イリノイ・ジャケー)によるテナー・ソロです。

この「Flying Home」のIllinois Jacquetは”最初のホンカー・スタイル(ブットいテナーをブロウしまくるスタイル)”と呼ばれ、音楽界に大きな衝撃を与えました。
それまでは、脇役と考えられていたテナー・サックスですが、Coleman Hawkins、Lester Youngの活躍によって主役を張れる楽器として認知され、Illinois Jacquetによって「あこがれ」の楽器となったのです。

先日紹介したWillis Jacksonや、「狂気のテナー奏者」Big Jay McNeelyからDexter Gordon、Sonny Rollinsなどなど、数え切れないテナー奏者に信奉されている偉大なミュージシャンです。
しり上がりに、熱くなるブロウですので、是非、最後まで聴いてみてください。

2009/07/02

BANANA SPIRIT, SKIP'S BOOGIE

"BANANA SPIRIT / KID KING'S COMBO"
EXCELLO, 1953


ナッシュビルの独立系R&Bレーベル"Excello"からのタフなブルース・インスト。
テネシー州ナッシュビルは、メンフィスの東側に位置するブルースの街。
"Excello"レーベルは独立系ながらブルース・ファンには「名門」とされていて、人気があります。

Kid King's ComboはドラムのKid King、ピアノのSkippy Brooksを中心とした"Excello"レーベルのバッキング・バンドで、この「Banana Spirit」がレーベル初のインスト曲。

ジャマイカでも50年代のサウンド・システムでは大変人気が高かったようです。
当時のサウンド・システムでの活躍を物語るように、レーベル全体が削られていて、アーティストやレーベルなどが解らなくなっています。

"SKIP'S BOOGIE / KID KING'S COMBO"
EXCELLO, 1953


このレコードはB面も、同グループのピアノ奏者Skippy Brooksの名前をタイトルに冠したインストで、A面に負けない位タフな曲です。

ブギ・ウギ調のピアノが見せ場を作り、太いサックスが入ってくる所なんか最高です。
自分もダンスの雰囲気によって、両サイドを使い分けています。