2013/09/28

MAN WITH THE HORN

ということでジャズです!
前回と時間が入れ替わりますが、20:00ちょと前位からのジャズタイムから2曲+オマケです。

"MAN WITH THE HORN / SONNY BRADSHAW"
FEDERAL, 196?



1曲目はローカルジャズからソニー・ブラッドショウさんのテーマソング"Man With The Horn"です。
ジャマイカのヴィンテージコレクターのスペシャルな1曲です。

ソニー・ブラッドショウさんはジャマイカを代表するミュージシャンで、ミュージシャンとして素晴らしいのはもちろんですが大変な人格者でもあり、ジャマイカ音楽家協会を設立するなど、生涯、ジャマイカのミュージシャンの地位向上に尽力した方で、ジャマイカでは最大級の尊敬を受けています。

数年前に亡くなられていますが、生前はラジオなどのインタビューにも気軽に応じていて、50年代、60年代のジャマイカ音楽の話を本当に楽しそうに語っていました。
そういった話というのは勉強になるだけでなく、私の選曲にも大きな影響を与えてくれています。
60年代のレコードのライナーノーツも多く手がけているので、LPの裏表紙に名前が出ていたら、是非読んでみてください。

"SUNNY SIDE ON THE STREET / TAB SMITH"
DOWN BEAT, 1952



2曲目は急遽、タブ・スミスで行きました。
曲のタイトルからは日中のイメージですが、曲は夜っぽいので気にしません。
なんとも良い雰囲気です。ブルーズとは違う感じですが、グッとテンションが上がってきます!

予定では19:30くらいからジャズの時間にしようと思っていたのですけど、
ブルーズで引っ張りすぎて30分くらい遅くなってしまっていたんですね。

"CIRIBIRI MAMBO / RALPH MARTERIE"
MERCURY, 1952



時間があったらコッチを2曲目にして、ビッグバンドのマンボやチャチャチャをプレイしようと企んでいたのですが、このセグメントは仕方が無いので飛ばしました。

このラルフ・マーテリー(Ralph Marterie)はイタリア出身でアメリカに渡りシカゴで活躍したトランペットプレイヤー、バンドリーダーです。
日本ではイージー・リスニング、ムード音楽に分類されているので注目されませんが、ジャマイカでは大変人気のトランペットプレイヤーです。

ずいぶん長くなりましたが、次回、もう1回ジャズを紹介して終了します。

2013/09/26

BUT OFFICER, SATURDAY NIGHT FISH FRY, DRUNK, BIG FAT MAMA

本来であれば前半のメインタイムにプレイしたブルーズを紹介する所ですが、ちょっと長くなってきたので、後半のブルーズのメインタイムまでザクッと飛ばします。
当日の時間割はこんな感じでした。

18:00 - 20:00 Blues
20:00 - 22:00 Jazz
22:00 - 23:00 Blues
23:00 - 00:00 Jazz

時間的には10時過ぎ位だったと思います。(酒も進んでるので、ココらへんになると記憶も曖昧になってます)ココからはお気に入りのジャンプアップチューンを連発していきます!その中からの4曲です。

"BUT OFFICER / SONNY NIGHT"
DOWN BEAT(ALADDIN), 1953



'Hey you boy, with the be bop glasses and the suede shoes, come here'と警官に呼び止められるセリフから始めるビッグクラッシック!

この曲で繰り広げられる警官との皮肉の効いたやり取りが、サウンドシステムの観衆を熱狂させたようです。
「ビ・バップ グラス」と「スエードシューズ」というアメリカの先端ファッション用語が挟まっていることも重要です。
最近でも「clarks」なんかが唄われるので、サウンドシステム文化って変わらないなと思いますが、当時のゲットーの貧しい若者達は、サウンドシステムから流れてくる曲から、アメリカの新しいファッションやスタイル見つけ、その都会的なセンスに憧れていたようです。

"SATURDAY NIGHT FISH FRY / LOUIS JORDAN"
DECCA, 1949



ニューオリンズの週末に行われているパーティーの様子が唄われているビッグクラッシック!
この曲の「ミュージシャン」を「サウンドマン」に置き換えると、そのまんまジャマイカのサウンドシステムの様子ですよね。
黒人と音楽の結びつきの強さも改めて感じることができる「楽しくてワイルド」な最高のパーティーソングだと思います。

"DRUNK / JIMMY LIGGINS"
SPECIALITY, 1953



タフ!タフ!最高にカッコいいお気に入りの1曲です!定番の「酒」ネタです。
「酒」ネタは、呼んでもらっているラウンジの売上に少しでも協力できるように必ずプレイします。
ジミー・リギンスは"Joe Liggins & The Honeydrippers"のジョー・リギンズの弟です。
元々はプロボクサーとして活躍していたようですが、兄のジョー・リギンズが音楽で成功したのをキッカケに、ツアーに同行するようになり、自らも唄うようになったようです。
ちょっとプリンス・バスターっぽいですね。

"BIG FAT MAMA / UNKNOWN"
UNKNOWN, 195?



これはコクソン産の謎のブランク盤。スカとのカップリングなのでテストプレスだと思います。
最高にカッコいいタフなジャンプブルーズです。定番の「女性」ネタです。
「女性」ネタはジャマイカのDJも好きですが、ブルーズもかなり多いんじゃないでしょうか?
この曲は、コレクターさんに誰の曲なのか聞こうと思っていたのに、酔っ払って忘れてしまいました。

ということで、駆け足気味で次回はジャズです!

2013/09/18

YOUR CHEATIN' HEART, WALK OFF, BUSHY TAIL

"YOUR CHEATIN' HEART / GLEN HOLDEN & THE ASTRONOTES"
TROUBADOUR, 1958


前回からの続きということで、今回は2曲+おまけです。
ペースを落として泥臭くバラード調のブルーズを数曲プレイし「充分引っ張ったかな?」というタイミングで、インストをブリッジに使ってペースを戻します。

1曲目は前曲のペースに合わせたバラード調のインストです。
アーティストの詳細は全くわからないのですが、フリップサイドはハードなロックンロールなので、白人のバンドでは無いかなと思っています。
元はカントリーの名曲です。個人的にはギターがとても気に入っているんですが、どことなくジャマイカやトリニダッドなんかのギタリストから感じる「音の温もり」を感じます。

"WALK OFF / PRESTON BROWN"
OLD TOWN, 1958


で、2曲目です。
ココでペースを少し上げて、いよいよ前半のメインタイムに入っていきます!
重く引きずるような雰囲気はそのままで、力強いリズムと泥臭いオルガンとサックスが最高にカッコいいビッグ・クラッシックです!
前のオーナーによる「ビッグ」の書き込みを受け継いでプレイしていますが、このレコードには毎回盛り上げてもらっています!

ココらへんは、なるべく繋がりが不自然にならないように気をつかいつつも、押しの強い選曲を連発してプレイしました。
その点、こういったイントロから始まる曲は、ペースを上げ下げする時や、ちょっと雰囲気を変えたい時なんかに重宝します。
ちなみにコレはフェデラル配給のジャマイカ盤です。

振り返ってみても、かなりしつこいプレイをしていますが、ジャマイカの人たちはタフなのでまだまだです。
私も最初は「ここまで引っ張るのか!」と驚きましたが、ブルーズの強いリズムにハマると、これが癖になるんですよね。
今では癖になるどころか快感になってしまって、ついつい「もっと!もっと!」と引っ張りたくなっちゃいます。

おまけ。

"BUSHY TAIL / CLIF (Honky Tonk) SCOTT"
KING, 1961


実はこの"Bushy Tail"にしようか、上の"Walk Off"にしようか迷って"Walk Off"にしたんですよね。
これもビッグ・クラッシックです!
コッチはワール配給のジャマイカ盤です。

2013/09/06

SOME DAY, IT'S MUSIC

"SOME DAY / SMILEY LEWIS"
IMPERIAL, 1956


前回はオープニングソング"Ernie Freeman / Beautiful Weekend"を紹介しました。
この曲は、エレガントなピアノに力強いリズムが特徴なので、その後も「ワイルド&エレガント」な雰囲気をキープするように曲をつないでいって、じっくりと温めていきます。
いわゆる前半のワームアップタイムですね。
今回もインペリアルから私の大好きなスマイリー・ルイスを2曲紹介します。

どちらもニューオリンズ・サウンドの重要人物デイヴ・バーソロミュー(Dave Bartholomew)制作。
1曲目は、この辺の「ワイルド&エレガント」な流れの選曲には欠かせないお気に入りの1曲。
内容は泣きのバラードなんですが、スマイリー・ルイスのゴキゲンなヴォーカルが最高です。
また、ジャジーにスイングする演奏も素晴らしく、間奏のグルーブ感はたまりません!

ココらへんは定番かつ鉄板ですので、予定通り、というか予想以上にいい感じの雰囲気になって来ました!
場も温まってきて、外もすっかり暗くなった所で、ちょっとだけペースチェンジします。

"IT'S MUSIC / SMILEY LEWIS"
IMPERIAL, 1953



持ち時間が短ければ、ココから上げていく選曲をするかもしれませんが、
当日は時間がたっぷりあったのでイタズラ心もあり、さらにペースを落として「ねちっこく、泥臭い」展開に持って行ってみました。

ということで、続きは次回です。

2013/08/31

BEAUTIFUL WEEKEND

"BEAUTIFUL WEEKEND / ERNIE FREEMAN"
IMPERIAL, 1957



最近、ショップのDown Beatの買い付けもあり、コレクターさんと会う機会が増えたおかげか、ちょこちょこと声をかけてもらってレコード廻したりしています。

そんな中、先日、JazzとBluesのみで6時間ほどロングプレイしてきました!
最高に楽しくて、気持ちのいい時間を過ごし、酒も飯もすすみました。
その中から、今日はオープニングソングとしてプレイした"Ernie Freeman / Beautiful Weekend"です。

セレクターであれば最初の曲には気を使うと思いますが、私も最初の曲は気を使います。
もちろん当日は土曜日で、日が沈みかける夕方18:00くらいからのプレイだったので、お気に入りの中からこの曲を選びました。
上げすぎず、下げすぎず、現場の空気を温めながら、素晴らしい夜が始まる予感をしっかり感じさせる曲だと思います。

あと、この日はお客さんのほとんどがイーストロード等での、お馴染みのコレクターさんだったので、最初から私の一番得意とする、ジャマイカ人顔負けの「ラフでタフ」な選曲をしてやろうと企んでいました。
思った通り掴みはバッチリだったので、そのまま強気な選曲で深夜0:00まで押し通しました!

ということで、次回の曲紹介につづきます。

話は変わりますが、最近はブログで紹介したいと思っていた曲の多くを、ショップのDown Beatで販売できてるので楽しいです。

ココらへんのレコードはアメリカでは買いやすいものがあったりするのですが、ジャマイカでは入手が難しくコレクターズアイテムになっています。
Down Beatで販売しているレコードは、100%知り合いのコレクターさんのレコードボックスから直に購入していますので
「ジャマイカではどんな曲が受けるのか?」という質問に対しての答えのつもりで販売しています。
あとは「好みとセンス」で曲を並べれば、必ずジャマイカで盛り上げられると思います!

"LIVE IT UP / ERNIE FREEMAN"
IMPERIAL, 1959



今回紹介したアーニー・フリーマン(Ernie Freeman)は"Live It Up"(画像はジャマイカの再発、オリジナルはインペリアル)をスカタライツが"Beardman Ska"のタイトルでカバーしているのが有名です。
ジャマイカで"Beardman Ska"のタイトルになっているのは、"Live It Up"が別名"Beardman Shuffle"と呼ばれているからです。

トレジャー・アイルでトミー・マックックがカバーした"Indian Love Call"もオリジナルはアーニー・フリーマンです。
アーニー・フリーマンについてはタカオさんブログも是非!

2013/08/24

AMOR, JOHN B

"AMOR / THE ARENA BRASS"
EPIC, 1962


 

"AMOR / RAYMOND HARPER & CARIB BEATS"
DOCTOR BIRD, 1966



Doctor Birdレーベルの最大のヒット曲。
前半のハーモニカはチャーリー・オーガネアー(Charlie Organaire)たと聞いた覚えがありますが確かではありません。
中盤からはレイモンド・ハーパーの浮遊感のある素晴らしい演奏が聴けます。

カバー元はロバート・マージー(Robert Mersey)制作のメキシコ、ラテン音楽のカバー集です。
このLPからはタイトル曲の"Lonely Bull"もカルロス・マルコムがカバーしています。

わりと軽めの音で、イージーリスニングという感じですが、トランペットは素晴らしいです!
イージーリスニング系のレコードは、シチュエーションとタイミングを選びますが、ハマった時にはとても気持ちの良い空間を作れるので、個人的にも積極的に使っています。

Amorはメキシコのボレロがオリジナルで、1944年にザビア・クガート(Xavier Cugat)・オーケストラがカバーしたものが有名です。



"I WANNA GO HOME / LONNIE DONEGAN"
PYE, 1960



"JOHN B / THE VIBRATORS"
DOCTOR BIRD, 1960



John Bはイギリスのポピュラー・ソングになるのでしょうか?前回紹介した"REMINISCE"同様、カリブ風のセンチメンタルな曲です。
ジャマイカでもヒットしたようで、私自身も「ココで聴いた」みたいな明確な出会いがあったわけではないのですが、
自然に耳に馴染んでいって、お気に入りの曲になった1枚です。

2013/06/07

REMINISCE

"REMINISCE / JERDIS OLSEN"
PAL, 196?



マイアミの "PAL" レーベルから週末のナイトミュージックを。
アーティスト、レーベルなど詳しいことは不明なのですが、マイアミのレコード会社のようなので、マイナーなローカルシンガーなのかもしれません。
カリビアン・フィーリング溢れるセンチメンタルな素晴らしい女性ヴォーカルチューンです。
声といい歌い方といい、ちょっと垢抜けていないけどキュートでたまらない感じが、ジャマイカのスカやロックステディの女性アーティストそっくりです。
可愛らしくて、しんみりとできる最高にお気に入りの曲です!

この "PAL" レーベルは、ジャマイカの音源を "BRA"(スタジオ・ワンやバイロン・リー)や、"Soul Kiss"(プリンス・バスター)というレーベルで流通させています。