2009/12/01

A LITTLE NUT TREE

"A LITTLE NUT TREE / THE MELODIANS"
GAY FEET, 1967


1967年のクリスマスホリデイ目前で活気溢れるキングストン。しかし、メロディアンズの3人は打ちひしがれた気持ちの中に居たそうです。

コクソン・ドッド、デューク・リードの元での報酬に満足がいかなかったアーティスト達(ケン・ブース、デルロイ・ウィルソン、ゲイラッズ、メロディアンズ)は自分達で"Links"というプロダクションを立ち上げました。「プロデューサーからの搾取からの脱却」の元、夢と希望を胸に抱き、素晴らしい曲をレコーディングしました。

しかし、当時のジャマイカの現実は厳しく、様々な妨害に会い、数曲をレコーディングしたまま"Links"は解体に追い込まれてしまいました。絶望の中、メロディアンズの3人は"Gay Feet"レーベルのオーナーであるミス・ポッティンジャーの元を訪れます。

ミス・ポッティンジャーはそのときの事を「お腹を空かせ、とてもお金に困っていた」と語っています。その様子に同情したミス・ポッティンジャーは「クリスマスを過ごす為の僅かな手助けになれば」と思い、レコーディングの場を提供します。

そして生まれたのが、この曲"A Little Nut Tree"です。ミス・ポッティンジャーが「正にアメージングな体験だった」と語っているように、自分は、どうしたらそのような過酷な状況の中、絶望感を全く感じさせない優しく暖かな素晴らしい曲が唄えるのか不思議でしょうがありません。

この話を聞いて以来、クリスマスが近づくとクリスマスソング同様"A Little Nut Tree"を無性に聴きたくなり、また、レコードを廻す機会があるときは必ずプレイするようになりました。

1 件のコメント:

  1. 深い話ですねー!
    ありがとうございます!

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